自転車トライアルのホイール組みで気をつけることは、ふたつだけ

パーツ

  • 「リムがそろそろ限界!」
  • 「ハブのシャフトが折れた!」
  • 「ショップでホイールを組んでもらいたいけど遠い!」
  • 「自分でホイールを組んでみたい!」

自転車トライアル(BTR)のホイールは、手組みがほとんどです。
完組みホイールもありますが、リムだけ/ハブだけ壊れることもあります。
毎回完組みホイールを買うのも、ちょっともったいないですよね。

それなら、自分でホイールを組んでしまいましょう!
自転車のホイールは複雑そうに見えますが、意外とかんたん。

ホイール組みで気をつけることはふたつだけです

もちろん、最初から「完璧なホイール」は組めませんよ(笑)
でも正しい組み方を知っていれば、「使えるホイール」を組むのはかんたん。

何本も組んでいるうちに、自然とこだわりが出てくるんですよ。
そういったものが「ショップさんのノウハウ」と呼ばれたりしますね。
私も元自転車屋なので、リムによって組み方を変えたりしてます。

「ホイール組みに挑戦してみたい!」そんなあなたに、
BTR用のホイールを数百本組んできた私が、ホイールの組み方を解説します。

  1. トライアル自転車のホイール組み:基本は6本組み
  2. トライアル自転車のホイール組み:スポークをニップルにつないでいく
  3. トライアル自転車のホイール組み:振れ取り
  4. トライアル自転車のホイール組み:コツは諦めること
  5. トライアル自転車のホイール組み:スポークの長さはどうしたらいいの?
  6. トライアル自転車のホイール組み:必要な工具
  7. トライアル自転車のホイール組みで注意することは2つだけまとめ

トライアル自転車のホイール組み:基本は6本組

車のドアにはさんで親指をけがしてます(笑)

BTR自転車のホイールは、基本「6本組」です。
6本目のスポークが交差するので、「6本組」と呼びます。
「5つ隣のスポークと交差」と覚えてもいいですね。

ここがひとつ目のポイントです。

  • フランジ外側のスポークが内側
  • フランジ内側のスポークが外側

になるように交差させましょう。
「6本目のスポーク同士が触れている」状態にしてください。

これだけ知っておけば、ホイールの形を作れます。
「6本めのスポークを交差させて、一周つなぐ」だけです。
一度覚えたらかんたんです!

ラジアル組

今回は、半ディスク側をラジアル組にします。
ラジアル組は、ハブからリムにまっすぐスポークを張る組み方です。
はい、めちゃくちゃかんたんです(笑)

「この組み方ならかんたんそう!」
と思うかもしれませんが、注意が必要です。

  • 駆動側(チェーンがついている側)
  • ディスク側(ブレーキローター側)

には、ラジアル組は使えません。
ラジアル組は、回転方向に対する力に弱いのです。
「ディスクもコグもついていない側」にしか使えません。
「横方向の強度が低い」というデメリットもあります。

BTRでは、
「ちょっとでも軽く!!」
という理由で使う場合がほとんどです。
ちょっとマニアックな組みかたですね。

JIS組・タンジェント組どっちがいいの?

「JIS組とタンジェント組、どっちがいいの?」
ちょっと詳しいあなたなら、こういう疑問を持つでしょう。

結論、どっちでもいいです(笑)
いろんな組みかたを試しましたが、体感するほど差が出ることはありません。
BTRのホイールは、前後どちらにも力がかかりますしね。
(私は一応、気にして組みますが)

「6本目のスポークが交差」
これだけ覚えてください!

気になる人用に外部リンク:JIS組・タンジェント組

トライアル自転車のホイール組み:スポークをリムにつないでいく

6本目のスポークと交差させたら、リムにつなぎます。

ここがふたつ目のポイントです。

スポークの交差が、「バルブ穴」を避けるようにつなぎましょう。
バルブの上でスポークが交差していると、空気を入れづらいですからね(笑)
ホイールの強度には関係ありませんが、BTRは空気圧が大事ですから。

>>>関連記事:【自転車トライアル】タイヤの空気圧は「固有振動数」で決める
>>>関連記事:自転車トライアルの空気圧は?【反発が使えてパンクしない圧が適正】

どんどんつないでいく

どんどんつないでいきます。
マイナスドライバーを使ってニップルを仮締め。
ここでは「軽くネジ山にかかる程度」でOKです。

ホイールの形ができました!
まだスポークはゆるゆるです。

振れ取りをする前に、スポークのテンション調整をします。
「スポークを”にぎにぎ”して、だいたいおなじテンションに」調整してください。

まだガチガチに張らないでください!
振れ取りのときに「これ以上締められない!」となってしまいます(笑)
「ニップルを回すのがちょっと重い」くらいにしましょう。

トライアル自転車のホイール組み:振れ取り

いよいよ「振れ取り台」に乗せます。
振れとりでやることは3つです。

  • 横振れをとる
  • 縦振れをとる
  • センターを出す
  • しごき

横振れをとる

ホイールの「横のゆがみ」をとる作業です。
諸説いろいろありますが、間違いのないやりかたを紹介します。
この段階では、「ホイールのセンター」は無視!
まずはおおまかに横振れを取りましょう。

横のねじを調整して、リムに近づけます。

  • 「ちょっと擦る」くらいに近づける
  • 擦らなくなったらまた近づける

の繰り返しです。

右に振れています。
振れている部分のニップルを回します。

  • 右側のニップルを緩める
  • 左側のニップルを締める

これで、回した部分のリムが左に動きます!
ちなみに、スポーク・ニップルは普通に右ねじです。
右回転で締まる/左回転で緩む です。

一回目の横振れとりは、だいたい2mm以内におさまればOKです。

縦振れをとる

縦振れをとっていきます。
黒い部分を調整して、リムに近づけます。
「部分的にちょっと擦る」くらいにしたら、ニップルを回していきます。

振れている部分のニップルを、「左右均等に」締めます。
なるべく、横振れを出さないためですね。

これで、回した部分のリムが引っこみます。
縦振れとりは、基本「締めて」調整します。
だから最初に、スポークを張りすぎないほうがいいんです。

できれば、1mm~2mm以内に収めましょう。
※後述

センター出し

ホイールのセンターを出す作業です。
振れ取り台によって、やり方が違います。
私の振れ取り台は、黒い部分のめもりでセンターを出すタイプ。

ちょっと左に寄っています。

右側のニップルを、均等に一周締めていきます。
締める余裕がなければ、「左側を緩める」でもOK。
「どれくらい締めたらいいか?」は、組んでいるうちにわかってきます!

センターが出ました!
しかしまた、横振れ・縦振れが出ています。
もういちど振れとりしていくのですが、その前に「しごき」を入れます。

しごき

「しごき」とは、
スポークに負荷をあたえて「初期伸び」をとる作業です。

この作業をやらないと、あとでスポークが伸びて緩みます。

ちょうどいい台がなければ、スポークをにぎにぎしてください。
これでも効果が得られます!
ただし、指が痛いです(笑)

同じ作業を繰り返す

しごきが終わったら、もう一度振れとり台に乗せます。

  • 横振れとりをすれば、縦振れとセンターがずれる
  • 縦振れとりをすれば、横振れとセンターがずれる
  • センター出しをすれば、横振れと縦振れが出る

ホイール組みはこんな感じでの、いたちごっこです(笑)
人間の指先は、そこまで正確ではありませんからね。

  1. 横振れとり
  2. 縦振れとり
  3. センター出し
  4. しごき

この4つを何度か繰り返して、振れの少ないホイールにしていきます。

慣れてくると、2~3周で組み終わりますよ!
私が最初に組んだときは、8周しました(笑)
大丈夫です、何周もすればだんだん慣れてきます!

トライアル自転車のホイール組み:コツは諦めること

「どうやってもここの振れがとれない!!!」
そんなときの解決法は、「諦める」です(笑)

ホイールの振れの少なさって、リムの精度に依存するんです。
「あ、ここひどいな」
と思ったら、諦めるのが正解です。
特に「リムの継ぎ目付近」は、ゆがみが大きいです。

スポークテンションがバラバラだと、歪みやすいホイールになります。
だから振れとりを深追いするのはよくないんですよ。

おおまかな目安は、「ニップル2回転」くらいですね。
引き際を見極めるのも、ホイール組みの上手さです。
特にBTR用のリムは、精度が良くありませんからね(笑)

ホイール組みのこつは、諦めることです。

トライアル自転車のホイール組み:スポークの長さはどうしたらいいの?

方法はふたつです。

  • スポーク長計算サイトで計算する
  • ショップに計算をおねがいする

スポーク長計算サイトで計算する

  • 有効リム径(ERD)
  • ハブスポーク穴PCD
  • ロックナット間距離(OLD)
  • ロックナット-フランジ間距離
  • リム穴オフセット
  • ハブスポーク穴径
  • ホイールのスポーク数
  • ホイールの交差数

これらの数値を入力すると、スポークの長さを計算してくれるサイトがあります。
親切なメーカーだと、これらの数値を公開しています。
もちろん、ノギスなどを使って自分で測ってもOKです。

数値がわかる場合は、こちらのサイトでスポークの長さを計算しましょう。

外部リンク:自転車のスポーク長 計算機

ショップに計算してもらう

ショップさんでリムやハブを購入する場合、
ショップさんで、スポーク長を計算してもらうのがかんたんです。

  • 「買ったリムとハブで、6本組のスポークをお願いします」
  • 「買ったハブと、手持ちのリムでホイールを組みたいです。
    リムの数値は○○で、ラジアル組のスポークをお願いします。」

こんな感じでお願いすればOKです。

>>>関連記事:【安心して買える】自転車トライアルのネット通販5選
>>>関連記事:自転車トライアルのショップ一覧【やっぱり目でみて買いたい】

スポークの太さってどれがいいの?

自転車のスポークは、主に14番と15番です。
「#14」というふうにも言いますね。
15番のほうが細いスポークです。

  • 20インチ:15番スポーク
  • 24インチ以上:14番スポーク

を選ぶのがおすすめです。
スポークの短い20インチは、剛性が出しやすいので15番でOK。

これは、リムに負担かかるということでもあります。
最近のBTR用リムは、肉抜きされていて割れやすいです。
15番スポークなら力が逃げるので、リムが長持ちします。

諸説ありますが、経験上。

ニップルは真鍮とアルミどっちがいいの?

先にリムが割れるので、どっちでもいいです(笑)
最近のアルミニップルは強いですからね。

こういうリムの場合は、「ロングニップル」をおすすめします。
H断面がじゃまをして、ニップルを回しにくいからです。

ちなみに、組む前にラスペネにニップルを漬けるのがおすすめです。
摩擦が減って、ニップルを締めやすくなります。
すぐに乾くので、ゆるむ心配もありません。

WAKO’S ラスペネミニ 税込1,333円(amazon)

スポークのゆるみ止めは塗ったほうがいい?

スポークのゆるみ止めは、
「スポークが伸びてゆるゆるになったとき、それ以上ゆるまないようにするため」
のものです。

メーカーやショップの責任回避の意味合いがほとんどです。
大量生産のホイールは、コストダウンのためにテンションが低いものもありますからね。

適正なスポークテンションで組めば、そうそう緩まないですよ。
少なくとも、定期的に振れ取りをする人にはおすすめしません。
時間がたつとガチガチに固まるので、ニップルが回しづらいです。

トライアル自転車のホイール組み:必要な工具

  • 振れとり台
  • ニップル回し
  • マイナスドライバー

ホイール組みに必要な工具は、このみっつだけです。
自宅でホイールを組むために、おすすめの工具を紹介します。

振れとり台

触れとり台は、5000円未満から10万円のものまであります。
自宅で自分のホイールを組むには、高価なものは必要ありません。
高価な振れとり台は、時短ツールのようなものですからね。

自分用ホイールを組むなら、ミノウラの振れとり台がおすすめです。
この振れとり台のメリットは、「センターゲージ」がついていること。
自動でセンターが出せるものもありますが、とってもお高いです。
安価な振れとり台の場合、センターゲージ別体タイプが使いやすいです。

私はミノウラのセンターゲージなしタイプを使っていますが、センター出しに苦労しています(笑)

ミノウラ 振れとり台 FT-1 COMBO 税込9.112円(amazon)

こちらの商品も評価が高いですが、おすすめしません。
この商品単体では、センター出しができないのです。
別途センターゲージを購入する必要があるので、コスパが悪いです。

激安振れとり台 税込4,980円(amazon)

ニップルレンチ

ニップルレンチは、別途購入しましょう。
ニップルはとっても繊細なので、工具の精度が大事です。
精度の悪いものを使っていると、ニップルがだめになります。

ニップルレンチは、パークツールのものがおすすめです。
昔から、ニップルを舐めにくいと評判のいいニップルレンチです。
プロはだいたいこれを使っていますね。

3.2mmと3.4mmがありますが、ニップルに合うものを購入しましょう。
どっちも持っておけば、ほとんどのニップルに適合します。

パークツール ニップルレンチ 税込1,100円(amazon)

マイナスドライバー

ニップルの仮留めに使います。
力をかけるわけではないので、なんでも大丈夫です。
細めのものがおすすめです。

スポーク

「工具…?」
はい、工具として使います。
ダブルウォールのリムを組むときに使います。

「ニップルを通そうとして、リムの中にコロン…」
となると、出すのに苦労しますからね(笑)
ニップルの反対側から軽くねじをかけて、ニップルをスポーク穴に導きます。

スポークを注文するときに、一本多く注文しましょう。

トライアル自転車のホイール組みで注意することは1つだけまとめ

  • トライアル自転車は、6本組だけ覚えておけばOK
  • ラジアル組は、ディスク側・コグ側に使っちゃだめ!
  • JIS組、タンジェント組はどっちでもいい
  • 注意することは、「6本目のスポークを交差させる」「バルブ穴を避けて交差させる」
  • 横振れとり、縦振れとり、センター出し、しごきを繰り返す!
  • ホイール組みは、リムの精度に依存します
  • 振れとりは、諦めることも大事!
  • スポークの計算サイトを利用しましょう
  • データがなければ、ショップに計算してもらいましょう
  • ニップルは真鍮とアルミどっちでもOK
  • H断面リムは、ロングニップルがおすすめ
  • 必要な工具は「振れとり台」「ニップルレンチ」「マイナスドライバー」の3つ
  • ニップルレンチはパークツールがおすすめ!
  • スポークを1本多く買って、工具として使いましょう