【自転車工具】アーレンキ正しく使えてますか?【ボルト破壊】

その他 パーツ

  • 「ボルトが壊れちゃった…」
  • 「ボルト折れた!!なんで!?」
  • 「思いっきり力かけたら工具が外れてケガした…」

あなたは、こんな経験がありませんか?
それは、工具の使い方が悪いからかもしれません。

自転車整備でよく使う工具といえば、アーレンキ(六角レンチ)。
アーレンキ一本とっても、
使い方を間違えるとボルトをだめにします。

昔から工具を使い慣れている人なら、
「あれね。」とピンとくるのですが、
「これから整備をはじめる!」というあなたには、
なかなか理解がむずしいかもしれませんね。

大丈夫です。
工具の回し方のこつは、ざっくりひとつだけです(笑)

新潟の融雪剤でガチガチに固着したボルトと戦ってきた、
整備暦12年の私が、正しい工具の回し方を解説します。

>>>関連記事:【いつでも全開】自転車トライアルに絶対必要な工具って?

  1. 工具の基本は、しっかり面で当てること
  2. こんな持ち方していませんか?
  3. ゆるみは厳禁、でも締めすぎもダメ!
  4. ボルトの1本や2本、だめにしても大丈夫です
  5. やるだけでボルトが長持ちする「表」技
  6. アーレンキ正しく使えてますか?まとめ

工具の基本は、しっかり面で当てること

工具の基本は、
「しっかり面で当てること」これだけです。
あ、わかりにくいですよね(笑)

ボルトに対して、まっすぐ力を伝えましょう

これならわかりやすいですかね。
どんなに精度のいい工具でも、
ななめに回したら接触面積がすくなくなってしまいます。

まっすぐ工具を回す(差しこむ)のが、
正しい工具の使いかたです。

これだと、「角」しか当たっていませんよね。
この状態で回してみてください。
100%ボルトが痛みます(笑)

  • アーレンキ
  • トルクスレンチ
  • ドライバー

どんな工具でも同じです。

「ボルトと工具はかならずまっすぐに」
これだけで、ボルトをだめにする可能性がぐっと減ります。

アーレンキはかならず奥まで刺しこんで!

初心者にありがちなのが、
「アーレンキが奥まで刺さっていないまま回してしまう」
です。
これも、ボルトを痛める原因になります。

いや~わかるんですよ。
アーレンキで回すタイプのボルトは、
砂などが詰まるので、奥まで刺さりにくいんですよね。

そんな場合は、
「軽くアーレンキをゆすりながら」刺しこみましょう。
「あ、工具が安定した!」
という感覚があるはずです。

(ガチで詰まっている場合は、細いものでほじってください)

こんな工具の持ち方していませんか?

  • 「え?工具ってこう握るんじゃないの??」
  • 「回している最中によく工具が外れるんだよね」

と思ったあなたは、要注意です。
これだと、ななめに力がかかってしまいます。

大きなトルクが必要なボルトだと、
「にゅるっ」という感覚と共に、ボルトがお亡くなりになります。

手で持ってみるとわかります

アーレンキをこのように持って、回してみてください。
アーレンキが左側に倒れませんか??

そうです。まっすぐに差しこんいても、
力をかけるとななめになってしまいます。

正しい握りかた

もっとも間違いのない握りかたが、これです。

  • 右手で回す
  • 左手でしっかり軸を支える

左手で軸(短い部分)を支えることで、
回す力をまっすぐボルトに伝えます。

「理屈は理解できるけど、むずかしいぞ?」
という場合は、ボルトにアーレンキを押しつけてください。
左手を使わないよりは、ずっと良いです。

すぐにできなくても大丈夫です。
やっているうちにわかってきますよ。

工具初心者におすすめのアーレンキ

「アーレンキ難しい…」
そんなあなたは、先端の短いアーレンキがおすすめです。
先端が短いので、軸がブレにくいんです。

使ってみたら、
「なんか回しやすい!」
という感覚があるはずです。

SK11 ショートヘッド六角棒レンチセット SLSW09EL 税込1,580円(amazon)

ゆるみは厳禁、でも締めすぎもダメ!

これで工具の基本はわかりましたね。
どんな工具でも一緒です。
(グラインダーは違うだろ!というコメントは無視しますw)

  • アーレンキ
  • トルクスレンチ
  • ドライバー
  • ソケットレンチ
  • メガネレンチ

どんな工具を使っても、今回紹介した内容は使えますよ。

「よっしゃーこれでトルクかけ放題!!」
と思った方も居るかもしれませんね。

えーと…あげ足をとるようで申し訳ないんですが、
ボルトの強度は有限です。
締めすぎたら折れるorネジ山を舐めてしまいます。

一定以上のトルクで締めても意味がない

金属は強い素材ですが、
力をかけるとやっぱり変形します。
一定以上のトルクで締めると、「伸びて」しまうんですよ。

ボルトの太さが変わらない限り、
一定以上のトルクをかけても力は伝わりません。

伸びる限界を超えると、当然折れます。
ボルトの強度は無限ではありませんからね。
(ちなみに画像のボルトはわざと折りました)

どこまで締めたらいい?

折れるのを覚悟でボルトを締めていくと、
「なんかあやしい感触がする」
という感じになります。

それ以上は締めないでください。
折れるorネジ山を舐めます。

とはいっても、
この感覚は何本か折らないと覚えられません。
私も、数百本折って覚えました(笑)

でも知っているだけで、締めすぎはいくらか防げますよ。

ボルトの1本や2本、だめにしても大丈夫です

  • 「ボルト折るの怖い!!!」
  • 「ボルトって折れたら直せないんでしょ?」

そう思った方も多いことでしょう。
でも、大丈夫ですよ。
腕のあるショップなら、折れたボルトの1本や2本たいてい直せます。

  • ドリルで揉んで逆タップ
  • ドリルで穴をあけてタップ切りなおし
  • ヘリサートでねじ山修復
  • 部品交換

「なんじゃその呪文…」
って感じですよね(笑)

折れたボルトやねじ山を直す方法は、いろいろあるんです。
100%直せるわけではありませんが、
たいていなんとかなりますよ。

頼れるショップがない場合

私にご連絡ください。
写真と状況をいただければ、アドバイスできます。
ご自身で直せない場合は、私が作業することも可能です。
(有料です)

雪国のサビ固着と10年間戦ったノウハウで、なんとかします。

雪国は錆びでボルトが固着するので、
嫌でも折れたボルトに強くなります(笑)

Twitter(シュン)
Facebook(中野 俊介)

絶対に壊しちゃいけないボルト・ねじ山

  • ブレーキホースの接続部分
  • フレームのBBシェル
  • クランクのコッタレス工具ネジ山

このあたりは、舐めてしまうと修正が難しいです。

こういう場所でなければ、たいてい直せますよ。
たとえばマガタマテンショナーが当たるフレームのボルトなどは、
けっこうかんたんに直せます。

ステムなどは、交換しちゃえば良いですしね。

やるだけでボルトが長持ちする「表」技

「ボルトにグリスを塗る」
です。
裏技ではないので、「表技」です(笑)

  • アーレンキが入る穴が痛みにくくなる
  • 長く乗っていても固着しにくくなる
  • トルクが少なくて済む

などのメリットがあります。
デメリットは、手が汚れることくらいです(笑)
私はほとんどすべてのボルトにグリスを使います。

だまされたと思ってやってみてください。
特にステムのボルトはよく回すので、おすすめです。

どんなグリスを使えばいいの?

私のイチオシはこれです。
「スレッドコンパウンド」
というタイプの、非常に固着に強いグリスです。

  • 強い力がかかっても潤滑する
  • 長い時間放置しても固着しにくい

…といううんちくもありますが、
スプレータイプというのが良いんです。
いちいち手を汚さなくて済みますからね(笑)

ちなみに自転車だけに使うと、数年は使えます。

ワコーズ THC スレッドコンパウンド 耐熱性潤滑剤 エアゾール 税込3,333円(amazon)

ブレーキローターにはグリスを使っちゃダメ!

「ブレーキローターのボルト」
にグリスを使ってはいけません。
遠心力でグリスが吹き飛んで、ローターについてしまいます。

ディスクブレーキって、
ちょっとでも油分があると効かなくなるんですよ。

ブレーキホースの接続パーツには、専用のグリスを!

ブレーキホースの接続パーツも、要注意です。
ふつうのグリスではダメ。

  • ミネラルオイル:ゴムを痛めないグリス
  • DOT:水溶性グリス

を使わなければいけません。
ブレーキ内部のシールを痛めてしまいますからね。
油圧ディスクや油圧リムブレーキがだめになってしまいますよ。

ちなみに、両方満たしている便利なグリスがこちらです。
信頼のWAKO’S製品。

ワコーズ RG-T ラバーグリース ブレーキ用ラバーグリース 税込1,320円(amazon)

アーレンキ正しく使えてますか?まとめ

  • 工具を回すこつは「しっかり面で当てること」
  • →まっすぐ力を伝えましょう
  • →そのためには、両手で工具を持つのが間違いないです
  • アーレンキは、しっかり奥まで差しこみましょう
  • 砂が詰まっていたら、アーレンキをゆすってください。奥まで入ります。
  • ガチで詰まっていたら、細いものでほじりましょう
  • 工具初心者は、先端の短いアーレンキがおすすめです
  • ボルトの強度は有限です
  • 一定以上は、ボルトが伸びるだけです
  • そのまま締めると折れます
  • もしもボルトを折ってしまったら、ショップを頼りましょう
  • 頼れるショップがなければ、私に連絡ください
  • ボルトにはグリスを塗りましょう
  • ブレーキローターは塗ったらダメです!
  • ブレーキホースの接続パーツは、専用グリスを!